コンビニやスーパーで見かける、あの“ふりかけ”が今、投資家の注目分野になっていることをご存知ですか?
特に近年は「吉野家の牛丼ふりかけ」「すき家風ふりかけ」など、外食の味を再現した“再現系ふりかけ”がヒット商品となり、ふりかけ市場はじわじわと拡大。2025年現在の市場規模はおよそ600億円──その成長性や安定性から、“ニッチだけど侮れない”投資先としても注目されています。

本記事では、そんなふりかけ業界を支える上場企業やOEM展開企業を、投資家視点で詳しく解説していきます。
永谷園HD(2899)──再現系ふりかけの主役企業

お茶漬けで有名な永谷園ですが、実はふりかけ市場でも大きな存在感を誇ります。特に再現系ふりかけや個包装商品でシェアを拡大しています。
株価・財務指標(2025年7月時点)
- 株価:約1,520円
- PER:約18.5倍(業界平均水準)
- PBR:約0.95倍(割安感あり)
- ROE:5.1%
- 自己資本比率:58.3%
- 時価総額:約420億円
🔍 投資家視点の注目ポイント
- 安定収益+再現系商品のヒットでさらなる成長が期待
- 割安感のあるバリュエーション
- 海外展開・インバウンド需要への対応も進行中
大森屋(2917)──業務用にも強いディフェンシブ銘柄
のり製品やふりかけなどで知られる大森屋。業務用市場にも強く、外食産業や学校給食向けなど、安定収益型のビジネスモデルが特長です。
株式指標(2025年)
- PER:16.4倍
- PBR:0.8倍
🟩 投資家視点の注目点
- 割安水準+財務安定のディフェンシブ銘柄
- 成長性は限定的だが、景気に左右されにくい強み
非上場でも影響力の高い企業たち

- 三島食品(非上場):「ゆかり」シリーズで有名。広島を拠点とする実力派企業。
- 丸美屋食品工業(非上場):「のりたま」や「混ぜ込みわかめ」などで絶大な知名度。非上場ながら業界最大手級。
➡ 上場していないため投資対象にはできませんが、業界分析上、外せないキープレイヤーです。
ブランドコラボ×ふりかけ:OEM供給企業の戦略
吉野家HD(9861)
牛丼味ふりかけなどをOEM展開。ブランド力を活かしながらライセンス収益を得ています。
すかいらーくHD(3197)
バーミヤンの味再現ふりかけなどを販売。**外食の“家庭内体験”**を通じて、ブランド認知を拡張。
サンリオ(8136)
キャラクターふりかけで子ども市場を開拓。パッケージデザイン力と知財戦略が融合したモデル。
✅製造はOEM企業(ニチフリ食品など)が担うことが多く、OEM・PB系の食品メーカーにも注目が集まりつつあります。

結論:「ふりかけ」は侮れない生活密着型セクター
ふりかけ産業は、派手さはないものの、生活密着型セクターとして中長期での成長が見込める市場です。
中でも、永谷園HDのような堅実な財務体質+ブランド力を兼ね備えた企業は、ポートフォリオの安定枠として検討する価値あり。
🍚 食卓の名脇役が、投資の名脇役になる日も近い。
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