えっ、これ本当に私が作ったの…?」
焼きあがった器を手にした瞬間、そうつぶやかずにはいられなかった。
寿司と器、それぞれの道を歩んでいたはずの2つの趣味が、奇跡のように重なった。
今回は、「窯開き」で感じた感動の裏話を、こっそりお届けします。
この日は、本焼きが終わってから数日──
「今日は、窯開きです」と先生の一言で、教室の空気が一気に高まった。
みんなの作品が詰まった窯の扉が開いた瞬間、
熱気と共に、あの赤く光る作品たちの姿がふわっと現れる。
あの瞬間って、まさに宝物を開ける感覚に近い。
何が出てくるか分からないワクワクと、ちょっとの不安。
でも、自分の手で受け取った時に感じた「命が吹き込まれた器」の重みは、忘れられない。

今回のテーマは「アジの青を引き立てる器」。
だから、青系の釉薬を選んだんだけど
焼き上がった器を見た瞬間、その青の奥深さに驚いた。
光の当たり方で表情を変える釉薬の不思議。
まるで、器の中で海がゆらいでいるような感覚だった。
釉薬って化学反応だからこそ、思い通りにいかないのが面白い。
そしてその偶然性が、唯一無二の作品になるんだよね。
でももちろん、全部がうまくいくわけじゃない。
釉薬が偏ったり、ヒビが入っていたり
最初は「あちゃー…」ってなったけど、
先生の
「これも個性。二度と同じものは作れませんから」
のひと言で、価値観がひっくり返った。
完璧じゃないからこそ、そこにストーリーが宿る。
今では、むしろ失敗作の方が愛着あるくらい。笑
そして──あの器が、本領を発揮する瞬間がやってきた。
朝釣って捌いたアジで寿司を握り、
できたてのシャリを青い器にそっと乗せてみると…
もう、海そのものだった。🌊
アジが泳いでるように見えて、シャリの白が波のように映える。
五感が一気に研ぎ澄まされる感覚。
「これが、私の完成形かもしれない」って思った。

この器たちは、これからどんな食卓に登場するのか──
考えるだけでワクワクしてくる。
お皿ひとつ、寿司ひとつに、
こんなにも物語が詰まっていくなんて思わなかった。
もしかしたら次は、
「この器を使ったお店を出したい」なんて妄想が膨らんでくるかも…?
第10話で一応の完結を迎えた趣味シリーズだけど、
正直、これからが本番かもしれない。
次はまた、違う趣味と繋がるかも──
そんなワクワクが止まらない、今の私です✨
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