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【新シリーズ裏ストーリー7話】 ただのコンビニのコーヒーが、私を少しだけ救ってくれた朝。

ストレスで潰されそうになったシリーズ 裏話

朝起きて、今日は外に出てみようと思った。

何か特別な理由があったわけじゃない。

「よし、頑張ろう!」なんて意気込んだわけでもなかった。

ただ、部屋の中にずっといるのが、もう苦しくて。

外の空気を少しだけ吸ってみたくなった。

外に出るだけで精一杯だった朝

私は、誰にも会いたくなかった。

知り合いにばったり会って、気を遣うのが怖かった。

でも、部屋に閉じこもっていると、過去の出来事や誰かの言葉が繰り返し頭の中で流れてきて、もっと苦しかった。

ほんの5分の散歩のつもりで、玄関のドアを開けた。

何も期待していなかった。ただの逃避だった。

ふと立ち寄ったコンビニとコーヒー

歩いて数分のところにある、見慣れたコンビニの前を通った。

「眠気覚ましにホットコーヒーでも飲もうかな」

そう思って店内に入る。

今までは会社に遅刻しないようにと、急いで買ってすぐ職場に向かっていた。

でも今日は、誰に急かされるわけでもなく、レジも空いていて、機械の前でゆっくりとコーヒーを注いだ。

その香りが、すっと心に入ってきた。

店内の静けさと、漂うコーヒーの香ばしさが、いつもの緊張を少しだけほどいてくれた。

ベンチに座って、コーヒーを味わう

コンビニの前のベンチに腰を下ろした。

紙コップの温もりが、じんわりと手に伝わってくる。

ひと口飲むと、鼻に抜ける香りと、ちょっと苦い味が広がった。

それは特別な味ではない。どこにでもある味。

でも、その普通が、今の私には沁みた。

「あ、今日、生きててよかったかも」

そう思えたのは、何日ぶりだっただろう。

小さな一歩。でも、私にとっては大きな変化だった

誰にも気づかれない、小さな一歩。

それは、ただコンビニのコーヒーを飲んだだけの朝。

でも私にとっては、「ああ、生きてるんだな」って思えた、初めての回復の瞬間だった。

布団の中では得られなかった呼吸。

何かを味わうという感覚。

そして、心に染み込んでくる静かなぬくもり。

「また飲みに来よう」

そう思えたことで、少しだけ、自分の存在を肯定できた気がした。

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