【第1話】まな板の上の初めて──魚との戦いの始まり
初めて魚をまな板に置いた日のことは、今でも忘れられない。
スーパーで買ってきた新鮮なアジ。
そして、合羽橋で手に入れたマイ出刃包丁。
まな板にアジを乗せ、包丁を握る。
…の、はずだったけど、手はプルプル震えて、心臓はバクバク。
目の前の魚と目が合った気がして、なぜか一言。
「ごめん、私、初めてだから優しくして…」
もちろん、魚が優しくしてくれるはずもなく。
最初の一刀目はアジじゃなくて、自分の指を落としそうになる始末😱

そんなこんなで始まった、私の魚を捌く修行の日々。
【第2話】師匠はYouTube。そして夜な夜な始まる魚との格闘
本格的に魚を捌こうと決意した私は、YouTubeを開いた。
プロの寿司職人の動画を、スロー再生で何度も何度も繰り返す。
画面越しに、包丁の動き、魚の持ち方、指の角度を必死に学ぶ。
だけど、いざ自分がやると、現実は非情。
包丁を手にした私は、まるでこう言われた気がした。
「お前、まだ修行が足りん…」
そしてある夜。
アジをひっくり返そうとした瞬間、まさかの事態。
まな板からスルンと魚が逃走!!
私は深夜のキッチンで、素足でアジを追いかけるという、前代未聞のお魚コントを演じていたのだった。

【第3話】捌いたその先に見えた、新しい世界
なんとかアジを捌けるようになると、欲が出てきた。
「…握り寿司、やってみたくない?」
もちろん、すぐには上手くいかない。
手にシャリがベタベタくっついて、握ったはずの寿司は形がぐにゃぐにゃ。
気づけば、謎の米の塊が大量発生😂

1貫握るたびに、私は心の中で叫んでいた。
「シャリよ、逃げるなーーーっ!」
でも、気づけばそのドタバタの中に、ワクワクがあった。
魚とシャリに振り回されながら、完全に寿司に恋していたのだ。
🍣 振り返れば、すべてが美味しい思い出
失敗だらけだった。
笑えるエピソードばかりだった。
でも、あの不器用な時間があったからこそ、
今の「寿司を握る楽しさ」がある。
思い通りにいかない日も、うまくいかない夜も、
ぜんぶ含めて美味しいネタになった。
包丁を握った日、私はただ魚と戦っただけじゃない。
「自分の好き」と向き合い、「楽しい」を掴みにいったんだと思う。
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