非上場ブランドに学ぶ、街トレンドの読み方。I’m donut?から生まれた「シュークルーラー」現象
街で見かけたスイーツの行列。
渋谷の小道にひっそりと現れた新店「Cream or Cruller(クリーム オア クルーラー)」は、
いまスイーツ好きの間で話題を集めている。
生ドーナツブームを作った「I’m donut?」の流れを汲み、
シュークリームとフレンチクルーラーを掛け合わせた新感覚スイーツ「シュークルーラー」を打ち出したブランドだ。
今回は上場していないにもかかわらず、投資家的視点でも注目したいこのトレンドの背景を掘り下げてみよう。
目次
- 1. 渋谷で見かけた、次のドーナツブーム
- 2. I’m donut?を生んだ平子良太シェフの軌跡
- 3. シュークルーラー誕生の背景とこだわり
- 4. トレンド視点で見る軽やかな贅沢の波
- 5. 投資家目線で見る、街トレンドの価値
1. 渋谷で見かけた、次のドーナツブーム
2024年以降、街の行列の顔ぶれが変わり始めている。
かつてのタピオカ、マリトッツォに続いて、今注目を浴びているのが「シュークルーラー」だ。
ドーナツのようでドーナツではない。
見た目は軽やかで、食べると外はザクッ、中はふわっと。
ひと口でその新しい食感に驚く。
ブランド名は「Cream or Cruller(クリーム オア クルーラー)」
2025年、渋谷・神南に誕生したテイクアウト専門店だ。

2. I’m donut?を生んだ平子良太シェフの軌跡
このブランドを手がけたのは、あの「I’m donut?」を仕掛けたシェフ・平子良太氏。
1983年長崎県生まれ。ホテルレストランに勤務後、東京のイタリアンで修業し、
福岡で料理長を務めたのちに独立。
2012年には「パスタ食堂ヒラコンシェ」を開業し、
その後パン、ベーカリー、カフェと領域を広げ、
2021年の「アマムダコタン 表参道」、2022年の「I’m donut?」で全国的ブームを巻き起こした。
そして2025年、彼が次に選んだテーマが「シュークリーム×フレンチクルーラー」。
まさに生ドーナツのその先を描く挑戦だった。
3. シュークルーラー誕生の背景とこだわり
「Cream or Cruller」では、シュークルーラーという新しいジャンルを打ち出している。
底面をキャラメリゼしてカリッと焼き上げ、外は香ばしく中はふんわり。
さらに別売りのクリームをディップして楽しむ、体験型のスイーツだ。
カスタード、フランボワーズ、ピスタチオ。
好みの味を選んで自分だけのクルーラーを作れる自由さが、
若者を中心に支持を集めている。
揚げずに焼き上げることで、油っぽさを感じない軽やかさ。
手軽なのに贅沢という絶妙なバランスが、今の時代の気分にぴったりだ。

4. トレンド視点で見る軽やかな贅沢の波
シュークルーラーの人気は、単なるスイーツブームではない。
その背景には「プチ贅沢」の価値観がある。
高級レストランやホテルスイーツでしか味わえなかった食感や素材を、
街のテイクアウトで気軽に楽しめる。 このラグジュアリーの民主化こそ、 今の消費トレンドを象徴するキーワードだ。
実際、コンビニや大手カフェチェーンも「焼きドーナツ」「生食パン」など、 上質で手軽をキーワードに商品を拡大している。 その先駆けとして、非上場ブランドが市場を動かしているのが面白い。
5. 投資家目線で見る、街トレンドの価値
上場していないからこそ見逃されがちなブランドこそ、 次の消費の波を生む初期シグナルになる。 I’m donut?がそうだったように、 Cream or Crullerも、2〜3年後には大手企業が模倣・再構築してくる可能性が高い。
投資の世界では「数字」より先に「行列」を見ること。 行列が生まれる理由こそ、人の感情の動きであり、 その延長線上にマーケットが生まれる。
だからこそ、こうした街で見かけた現象を追うことは、 未来のビジネスを読む最初の一歩になるのだ。
Cream or Cruller(クリーム オア クルーラー)
所在地:東京都渋谷区神南1丁目
看板メニュー:シュークルーラー(カスタード/ピスタチオ/フランボワーズ)

甘さのトレンドは、いつだって街の小さな店から始まる。
あなたの街で次に並ぶのは、どんなスイーツだろう?
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