【私の趣味のストーリー 24話 深掘り】

私の趣味のストーリー 裏話

「怖い」って言葉は便利で、だいたいの不安をまとめてしまう。

失敗が怖い。お金が怖い。忙しさが怖い。
そういう分かりやすい怖さなら、説明もできるし、対策も立てられる。

「誰にも必要とされなかったらどうしよう」
これって、言葉にした瞬間に急にリアルになるから、ずっと胸の奥に隠しておきたいやつ。

店を持つって、料理を売るだけじゃなくて、
空間、時間、立ってる自分の空気までぜんぶ含めて「これが私です」って差し出すことになる。

つまり、選ばれない=自分ごと否定されるみたいな錯覚が起きる。

それが怖いんだよね。理屈じゃなく。


誰にも言えない怖さの正体

工事が進むほど、後戻りできない現実が増えていく。

壁ができる。カウンターが入る。照明の位置が決まる。
夢だったものが、場所になっていく。

この段階で襲ってくるのが、成功のワクワクじゃなくて、
「もしダメだったら?」っていう、逃げ道のない問い。

「大丈夫」の中に隠していたもの

「大丈夫?」って聞かれたら、たぶん普通に「大丈夫だよ」って言う。

嘘じゃないんだよ。やるって決めてるし、進める力もある。

でも、全部は言ってないだけ。

必要とされなかったら、って怖さは、相談するとか共有するとかの前に、
口に出したら現実になる気がして、封印したくなる。

誰もいない店が、いちばんうるさい

夜の店って、静かすぎる。

まだお客さんの温度も、会話の残り香もない場所で、
自分の心の音だけがやけに響く。

ここがポイントで、外にいるときはごまかせるんだよね。
やることがある、連絡がある、予定がある。動いていれば平気。

でも、誰もいない店は逃がしてくれない。
「ほら、ここに立つのはお前だぞ」って、静かに突きつけてくる。

声に出した瞬間、少しだけ軽くなる

「もし、誰も来なかったら」

この言葉って、声に出す前がいちばん怖い。

出してみると、思ったより音は小さい。
でも胸の中ではずっと大きかった。

で、不思議なんだけど、言えた瞬間にちょっと楽になる。

怖さが消えるんじゃなくて、隠さなくてよくなる

「選ばれない」と「価値がない」は別物

ここ、めっちゃ大事。

お客さんが来るかどうかは、運もタイミングも相性もある。
でもそれを「自分の価値」と直結させると、心が折れる。

だからこの回が強いのは、
「誰かに評価されなくても、この時間も選択も消えない」
ってところまで、ちゃんと自分で戻ってきてること。

選ばれなかったとしても、ここまで来た自分は消えない。
その言葉は、逃げじゃなくて支えになる。

怖いまま進む=今の自分の覚悟

怖さって、克服してから進むものだと思ってた。

でも実際は逆で、怖いまま進んだ経験が、あとから自分を強くする。

「それでも、やるんだな」

この一言が出た時点で、もう覚悟はできてるんだと思う。

怖さがあるから、進む意味が生まれる。
きれいごとじゃなくて、たぶん本当にそう。

次回はいよいよ「扉を開ける朝」。
怖さは消えないまま、現実だけが進んでいく。

でも、この回を読んだあとだと分かる。
その朝は、怖さに勝った朝じゃなくて、怖さと一緒に立った朝なんだと思う。

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