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【新シリーズ裏ストーリー6話】 退職後、心が自由にならなかった夜。深夜2時、涙が止まらなくて

ストレスで潰されそうになったシリーズ 裏話

退職して、ようやく自由になったはずだった。

もう理不尽な怒鳴り声も、締め切りに追われるメールも、周囲のため息もない。

「やっと、解放された」

そう思っていた。そう、思おうとしていた。

けれど、心だけが取り残されたように、なぜか身動きが取れなかった。

心がまだ、会社にいる感覚

昼間はテレビを見たり、洗濯物を干したりして普通に過ごしていた。

でも夜になると、頭の中に会社の記憶が蘇る。

「どこに行っても通用しないよ」

「結局、お前は根性なしなんだよ」

何度も言われたあの言葉が、耳元で囁かれるように蘇ってきた。

深夜2時、涙が止まらなくなった

その夜、私は布団の中で目を閉じたまま天井を見ていた。

時計を見ると、午前2時を回っていた。

急に胸がぎゅっと締め付けられる。

気づけば、涙が頬を伝っていた。止まらない。

声を殺して泣きながら、体を小さく丸める。

「辞めたのに、どうして…」

「もう自由なはずなのに…」

逃げたかった会社からは離れたはずなのに、心はまだ呪縛の中にいた。

あの場所にいた私が、まだそのまま苦しんでいた。

見つけた、小さな光

目に入ったのは、机の上に置いたままのメモ帳。

そこには、退職を決意した夜に自分が書いた言葉が残っていた。

「逃げじゃない。生きるために必要なこと。」

その一文を目で追った瞬間、じわっと目が潤み、再び涙がこぼれた。

でも、不思議と呼吸が少し楽になった。

声に出して読んでみた。

「逃げじゃない、生きるためなんだ」

また笑える日が来ると信じて

「……また、笑える日が来るのかな」

自信なんてない。

でも、そうつぶやいたあと、ほんの少しだけ心が軽くなった気がした。

深夜2時、涙でぐしゃぐしゃになった私。

でもその夜が、少しだけ前に進むきっかけになったのかもしれない。

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