【コーヒー飲んでたら投資家になってた件 17話】

コーヒーを飲んでたら投資家になった件シリーズ

IR資料で泣いた夜の話

※この記事は「コーヒー飲んでたら投資家になってた件」第17話の裏話・深掘り編です。物語サイドでは書ききれなかった「IR資料との付き合い方」を、もう少し噛み砕いてまとめてみました☕


目次


なぜ「IR資料」で泣きかけたのか

「IR資料で泣いた」と書くと、だいたいの人に笑われます。

いや、こっちだって最初はそんなつもりなかったんですよ。
ただ、静かな夜にコーヒーを片手に、なんとなく保有銘柄のIR資料を読み直していたら…

グラフと数字の羅列の中に、ふと、人の気配が見えてしまった。

「前年比+◯%」という一行。
その裏で、何人の人が頭を抱えて、何度会議して、何回も失敗して、やっとここまで持ってきたんだろう。

そう思ったら、なぜか胸がじんわりしてきて、
「うわ、これ…普通に泣けるやつじゃん」となったのが、あの夜です。


最初はただの「難しそうな資料」だった

正直、投資を始めたばかりの頃の僕にとって、IR資料は「よく分からないもの」でした。

  • カタカナ多い
  • グラフ多い
  • ページ数多い

この三拍子。
スクロールしてもスクロールしても終わらないし、「営業利益」「○○マージン」みたいな言葉が並んでいると、眠くなる。

だから、最初のうちはタイトルと結論だけ軽く眺めて、
「あ〜売上伸びてるっぽい。まぁいっか」くらいのノリで閉じてました。

それがあるとき、なぜかちゃんと読んでみようと思ったんです。
きっかけは「100株しか持ってないけど、この会社のこと、もうちょっと知ってみたいな」という、軽い身内意識でした。


数字の裏側に、人の顔が見え始めた瞬間

じっくり読み始めると、IR資料って意外と「物語」なんですよね。

たとえば、こんな流れが書いてあるとします。

  • 既存事業は伸び悩んでいる
  • 新規事業に投資を続けてきた
  • 数年越しでやっと黒字化した

この3行だけで、けっこうドラマじゃないですか?

伸び悩みの中で、リスクを取って新しいことに挑戦して、
数字にならない時期も我慢して、ようやく「黒字になりました」と書けた瞬間。

その一文を見たとき、
「この会社、ほんとによくここまで来たな…」と、なぜか親目線になっている自分がいました。

さらに、社長メッセージの欄にはこう書いてあったりする。

社員一人ひとりの挑戦と、お客さまの支えによって、この結果を出すことができました。

もうこれ、完全に泣かせにきてるじゃん…と思いながら、
コーヒーを一口飲んで、深呼吸しました。

「がんばるって、ちゃんと数字に変わるんだな」
「その数字を、こうやって僕みたいな個人投資家が見ているんだな」

そう思った瞬間、 IR資料はただの資料じゃなくて、会社からの手紙に変わりました。


初心者でもIR資料でここだけ見ればOKなポイント

とはいえ、最初から全部読もうとすると疲れます。
なので、投資初心者の頃の自分に教えてあげたい「ここだけ見とけばOK」ポイントを書いておきます。

① 最初の数ページ:「社長メッセージ」と「今期のまとめ」

ここには、その会社が今何を大事にしているかが、かなり素直に書かれています。

  • 何に力を入れているのか
  • 今期はどこが良くて、どこが課題なのか
  • 来期に向けてどんな方向を見ているのか

数字が分からなくても、
「この会社、ちゃんと自分の弱点も書いてるな」とか、
「いいことしか書いてないな」とか、雰囲気は伝わってきます。

② グラフの形だけ見る

売上や利益のグラフを、細かい数字は見ずに「形」だけ見るのもおすすめです。

  • 右肩上がりなのか
  • ボコボコ上下しているのか
  • 横ばいが続いているのか

それだけでも、その会社のここ数年の物語がなんとなく見えます。

③ 新規事業・今後の展望のページ

売上よりも大事なのがここ。「この会社はこれからどこへ向かうつもりなのか」。

ここを読んでワクワクしない会社には、正直あまり投資したくないな、と思うようになりました。


「儲かるかどうか」から「応援したいかどうか」へ

最初はもちろん「儲かるかどうか」で株を選んでいました。
チャートの動きとか、SNSの評判とか、短期的な値動きばかり気にしていた時期もあります。

でも、IR資料をちゃんと読むようになってから、
少しずつ基準が変わってきました。

「この会社、好きかどうか」
「この事業が続いてほしいかどうか」

お金のリターンももちろん大事なんだけど、
株主になってしまうと、どうしても応援したいかどうかの感情がついてくる。

IR資料は、その応援したい理由を探しに行く場所でもあるんだな、と今は思っています。

100株しか持っていない個人投資家でもいい。 誰かの挑戦にちょっとだけ参加しているような感覚を、 あの夜、IR資料を読みながら初めてちゃんと味わいました。


まとめ:IR資料は、会社からのラブレターだった

今でも、決算の季節になると少しワクワクします。
「あの会社、今回はどうだったかな」って、友達の成績発表を見に行く感覚に近い。

IR資料は、慣れるまではただの固いPDFに見えるかもしれません。
でも、その裏にはちゃんと人がいて、失敗して、挑戦して、やっと書けた一文がある。

それに気づいたら、 IR資料は「投資家向け情報」じゃなくて、「会社からのラブレター」に見えてきました。

投資を始めたばかりの人も、
もう何年もやっている人も、 今度の決算の夜は、コーヒーを片手にゆっくりIR資料をめくってみてください。

もしかしたら、画面の向こうで、 誰かが「ここまで来たよ」とそっと語りかけてくるかもしれません。

そして、ふと気づきます。
「あれ、自分もまだまだ頑張れるかもしれないな」って。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます☕
本編の「第17話:IR資料で泣いた夜」と合わせて読んでもらえると、 投資ストーリーが、少し立体的に見えてくるはずです。

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