失敗した銘柄が教えてくれた本当に見るべきこと
目次
- チャートとSNSだけ見ていた頃の私
- 大きくやられたあの日、コーヒーが冷めるまで固まった
- 街を歩いて気づいた「現実のサイン」たち
- 企業の強みって、現場に全部出ている
- 失敗は、宝の地図の最初のページだった
- まとめ:画面の外に出た瞬間から、投資は面白くなる
「なんか上がりそう」「人気だし伸びるでしょ」「みんな買ってるっぽいし大丈夫」
投資を始めたばかりの頃の私は、そんな雰囲気投資家でした。数字も見ているようで、実はほとんど見ていない。企業の中身なんて全然知らない。それでもどこかで「うまくいく気がする」と思っていたんですよね。
でも当然、そんなに甘くはなかった。

今回は、ある失敗した銘柄がきっかけで、「本当に見るべきものって何だったのか?」に気づかされた日の話です。
チャートとSNSだけ見ていた頃の私
投資を始めたばかりの頃、私が一番見ていたのは、チャートとSNSでした。
- 右肩上がりのチャート → 「強そう!」
- フォロワーの多い人が褒めている銘柄 → 「これは来る!」
- ポジティブなコメントが多い → 「安心した、買おう」
逆に、
- ネガティブな意見 → そっとスルー
- 決算短信 → 難しそうでそもそも開かない
- IR資料 → 数字多すぎて3秒で閉じる
今考えると、ほぼ「ノリと空気」でお金を突っ込んでいたようなものです。それでも最初のうちは、たまたまタイミングが合って利益が出ることもありました。
その小さな成功体験が曲者で、「あ、これでいいんだ」と勘違いしてしまったんですよね。
大きくやられたあの日、コーヒーが冷めるまで固まった
転機になったのは、とある銘柄で大きくやられた日でした。
そこそこ有名な企業で、SNSでも「期待!」の声が多かった銘柄。私もなんとなく乗ってみて、最初は少し含み益が出ていました。
ところが、ある日を境にジワジワと株価が下がり始める。
- 「一時的な調整でしょ」
- 「みんな持ってるし、きっと大丈夫」
そう自分に言い聞かせながら、ナンピンまでしてしまった結果…気づいたときには、画面の数字を見るのも嫌になるレベルの含み損になっていました。
その日、私はコーヒーを淹れて、スマホを握りしめたまま、しばらく動けませんでした。
「……なんで、これ買ったんだっけ?」
理由を探そうとしても、出てくるのはぼんやりした言葉ばかり。
- 「有名だったから」
- 「強そうって誰かが言ってたから」
- 「チャートが上向きだったから」
どれも、その会社じゃなくてもいい理由ばかりでした。
そのとき初めて、真剣に考えました。
「私は何を見て、投資しているつもりだったんだろう?」
街を歩いて気づいた「現実のサイン」たち
その週末、頭を冷やしたくて、いつもよりゆっくり街を歩いてみました。スマホを手から離して、あえてチャートを見ない時間を作って。

すると、今まで背景としてしか認識していなかった景色に、いろんなものが見えてきたんです。
- いつ見ても混んでいるカフェ
- オープン当初は話題だったのに、最近はガラガラの店
- 同じビルに、同じ企業のテナントがどんどん増えている様子
- ショッピングバッグのロゴが、特定のブランド一色になっているエリア
- ドラッグストアで、棚から一瞬で消える商品と、ずっと残っている商品
「あれ…これ、全部企業のリアルな状態なんじゃない?」
そう思った瞬間、頭の中のスイッチがカチッと切り替わりました。
私はこれまで、
- 株価という結果
- SNSというノイズ
ばかり見ていて、
「そもそもこの会社は、現場でどう見られているのか?」
という一番大事なところを、完全にスルーしていたんだと痛感しました。
企業の強みって、現場に全部出ている
それから、街を歩くときの目線がガラッと変わりました。
ただショッピングしているだけでも、自然とこんなことを考えるようになりました。
- この店が混んでいる理由は何だろう?
- 価格なのか、味なのか、世界観なのか、立地なのか
- 来ているお客さんの年齢層は? リピーターっぽい人は多い?
- スタッフの接客は? テキパキしている? どこかギスギスしてない?
- 回転率は高い? お客さんはすぐ帰る? 長居する?
- 近くに競合はある? それと比べて何が違う?
そうやって見ていくと、「この会社の強みってここなんだろうな」というポイントが、少しずつ見えてくるようになりました。
そして逆に、
- なんとなく雰囲気が暗い店
- 商品は悪くないのに人が入っていない店
- スタッフの目が死んでいる店
を見たときには、
「ここにお金を預けるのは、ちょっと怖いな…」
と感じるようになっていきました。
この感覚は、チャートの形や一時的な株価の動きでは、絶対に得られなかったものです。
失敗は、宝の地図の最初のページだった
あの失敗した銘柄は、正直、今思い出しても胃がキュッとするくらい痛かったです。
でも、もしあの時の損失がなかったら、
- 「本当に見るべきもの」はチャートじゃない
- 街と人の動きにこそ、未来のサインがある
- 投資は、机の上だけじゃなく外に出るほど学びが増える
ということには気づけませんでした。
失敗は、できればしたくない。 でも、致命傷にならない範囲での失敗は、
「自分だけの投資地図」を描き始めるための、最初の1ページ
だったんだと思います。
そこから少しずつ、
- 「この店の強みは何だろう?」
- 「この企業は、どこで勝とうとしているんだろう?」
と考える癖がついていきました。
それはやがて、
街で見かけた企業から投資のヒントを拾う、 私独自のスタイルにつながっていきます。
まとめ:画面の外に出た瞬間から、投資は面白くなる
今回は、失敗した銘柄をきっかけに、「本当に見るべきこと」に気づいた日の話を書きました。
チャートも、決算も、IR資料も大事。 でもそれと同じくらい、
- 街の空気
- お店の活気
- 人の動き
- 商品が選ばれているかどうか
といった現場のリアルを見ることは、投資家にとって大きな武器になると感じています。
もし今、
- チャートばかり見て苦しくなっている
- SNSの意見に振り回されて疲れている
という人がいたら、いったんスマホをポケットにしまって、 街をふらっと歩いてみてほしいです。
そこには、 画面にはまだ反映されていない、 小さな「未来のサイン」が、たくさん転がっているかもしれません。
そしてそのサインに気づけるようになったとき、 投資はただの「お金のゲーム」じゃなく、
「世界を見る目がちょっと変わる、面白い旅」
に変わっていくのかもしれません。
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