利益確定ボタンを押す瞬間、なぜか胸がギュッとなった話
「利益が出たなら、さっさと売ればいいじゃん」
頭では分かってるのに、
いざ利益確定ボタンを前にすると、なぜか指が止まる。

今回の第20話は、そんな「売り」の瞬間に宿る、
ちょっとややこしい感情の話。
ここでは、note本編では書ききれなかった裏側を、ブログならではの深掘りで残しておきたい。
目次
- ① 利益確定の瞬間に胸がギュッとする理由
- ② 「終わり」じゃなくて「一区切り」と捉える視点
- ③ 売ったあとに押し寄せる後悔と、ちょっとした救い
- ④ コーヒーとともに整理した、fujisoba流・利益確定ルール
- ⑤ まとめ:ボタンの向こうにあるのは、お金だけじゃなかった
① 利益確定の瞬間に胸がギュッとする理由
株をやっていると、「買う瞬間」より「売る瞬間」のほうが怖いときがある。
画面には、含み益の数字が並んでいる。
プラス○%、評価損益+△△円。
冷静になれば、十分すぎる成果だと分かっている。
それでも、指はなかなか動かない。
なぜかというと、その数字の裏には、
ただの値上がり以上のものが詰まっているからだと思う。
- 迷いながら買った日
- SNSで叩かれていて不安になった夜
- 決算前に「どうしよう」とソワソワした時間
- 街でその会社のサービスや商品を見つけて、ちょっと嬉しくなった瞬間
それらをまとめて「売る」ということは、
その期間の自分 に一区切りをつけるような感覚に近い。
だから、利益が出ているのに胸がギュッとする。
それは、お金の問題だけじゃなくて、
「ここまでの自分の物語を、いったん閉じる」という行為だから。
② 「終わり」じゃなくて「一区切り」と捉える視点
第20話の予告にも書いたけれど、
利益確定は「終わり」じゃなくて「一区切り」だと思っている。
昔の私は、売った瞬間にこう思っていた。
- 「あ〜…もうこの銘柄と縁が切れちゃったな」
- 「これで上がったらどうしよう…」
- 「売らなきゃよかったって未来の自分に怒られそう」
つまり、売ること=「損した未来への恐怖」とセットだった。
でも、何回か利益確定と後悔を繰り返しているうちに、
少しずつ見方が変わってきた。
いまは、こんな感じで捉えている。
- ひとつのチャレンジが、ちゃんと実った
- 「ここまでの判断は間違ってなかった」という答え合わせ
- 次のチャレンジに回すための、資金と経験の回収
そう考えると、利益確定は、
「ここまでありがとう。また会うかもね」と株に挨拶しているような感覚になる。
終わりではなく、次に進むための一歩。
そう思えるようになってから、胸のギュッとする感じも、
少しだけやわらいだ気がしている。
③ 売ったあとに押し寄せる後悔と、ちょっとした救い
とはいえ、売ったあとに上がることなんて、いくらでもある。
むしろ、売った翌日に限って大陽線が出たりする。あるあるだ。
そんなとき、昔の私はこうだった。
- 「なんであのタイミングで売ったんだ…」
- 「もう少しだけ我慢してたら…」
- 「やっぱり自分はセンスないのかも」
でも、冷静に考えると、
利益確定した時点の自分は、そのときの情報とメンタルでベストを選んでいたはずなんだよね。
未来のチャートを見てから文句を言うのは、
ちょっとズルい。
なので、最近はこう決めている。
- 売ったあとに上がったら、「そういう星の下だった」と笑う
- 「あのときの自分、よくここまでホールドしたじゃん」と労う
- 気になる会社なら、またどこかで入り直せばいいと割り切る
投資って、
「正解を言い当てるゲーム」じゃなくて、
「自分で納得できる選択を積み重ねる旅」なんだと思う。
そうやって少しずつ、自分を責めない売り方を覚えてきた。
④ コーヒーとともに整理した、fujisoba流・利益確定ルール
第19話・第20話あたりは、
コーヒー片手に「自分の売り方」を見直していた時期の話でもある。
感情に振り回されないように、
いまはざっくりとこんなルールを持っている。
- 目標ラインを事前に決める(○%上がったら一部売る 等)
- 決算前に一度冷静になる(全部持ち越すのか、半分にするのか)
- チャートじゃなくて「会社の今」を見る
- 売ったあとの後悔は、次の銘柄選びのヒントにする
もちろん、ルール通りにいかない日もある。
人間だし、欲も出るし、ビビりもする。
それでも、
「なんとなく」でボタンを押さなくなっただけで、
心のダメージはかなり減った。
数字だけを追いかけると、利益確定は「損したかも」に見えることもある。
でも、その過程で手に入れた視点・経験・気づきまで含めると、
ちゃんとプラスの時間だったと感じられる。
⑤ まとめ:ボタンの向こうにあるのは、お金だけじゃなかった
利益確定ボタンを押す瞬間、胸がギュッとなるのは、
そこに「お金」だけじゃなくて、
- 迷いながらも決めてきた自分の選択
- その会社を信じた時間
- 街で看板を見つけて嬉しくなった日々
- 不安だった夜や、そっと応援していた気持ち
そういった、小さな物語の積み重ねが含まれているからだと思う。
だから、売るときに少し切なくなるのは、ある意味で自然なこと。
むしろ、それだけその銘柄と真剣に向き合ってきた証拠だ。
画面の向こうにはチャートがある。
でも、そのもっと向こうには、
人の努力や、街の変化や、自分自身の成長がちゃんと存在している。
第20話は、そんな「売り」の瞬間に宿る、
見えない物語の話でもあった。

これからも、
コーヒーを片手に、
数字だけじゃない投資の面白さを追いかけていきたい。
そしてまたいつか、
「売ったあとの自分」にも笑って拍手を送れるようになれたらいいなと思う。
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