【コーヒー飲んでたら投資家になってた件裏話 9話】 あのトレーダーみたいに稼ぎたいから始まった、迷走の日々

コーヒーを飲んでたら投資家になった件シリーズ

☕️はじめに

「もしかして私、投資に向いてないのかも…」

そんな気持ちが、毎朝のコーヒーに溶けていくようだった。

信用取引で40万円を一夜にして失ったあの日から、時間は経っているのに、心はまだ前に進めていなかった。

だけど、完全に諦めたわけじゃなかった。

「もう一度、挑戦してみたい」

そんな時、たまたまYouTubeである人物の動画を見かけた。

🎥「この人のやり方なら、勝てるかも…」

その人は、1日数千円から数万円をスキャルピングという手法で稼いでいた。

スキャルピングとは、数秒〜数分の超短期で売買を繰り返す取引スタイル。

目にも止まらぬ速さで「買い」「売り」を繰り返し、少しの値動きで利益を狙う。

「これなら…私にもできるかもしれない」

そう思ってしまったのは、焦っていたせいだったのかもしれない。

📉そして始まった真似っこトレード

翌朝、私はそのトレーダーの動画で紹介されていた通りの手法を真似して、トレードを始めた。

・板(買い注文と売り注文のリスト)を見て

・チャートの形をチェックして

・1円でも利益が出たら即売り!

……だけど、現実はそんなに甘くなかった。

注文ボタンを押す手は震え、指が遅れて約定(注文成立)タイミングを逃す。

一瞬の判断ミスで、損失がどんどん膨らんでいく。

「えっ、なんで!?」

何もかも、動画で見たようにはいかなかった。

💸型だけ真似ても、勝てない

やってることは同じはずだった。

エントリーのタイミング、損切りの設定、利確のポイント。

でも、気づいてしまった。

「性格も、経験も、環境も、全く違う」

そりゃうまくいくはずがない。

例えば、その人は専業トレーダー。

私は家事の合間や昼休みにスマホ片手に操作する兼業トレーダー。

そもそも、「一瞬の判断」が必要なトレードを、集中力の切れやすい自分がやろうとしたのが間違いだった。

再現性のある手法って言葉に弱かったけど、それは「再現できる人がいる」だけで、必ずしも自分が再現できるとは限らないんだ。

🌀投資の迷路に迷い込んでいた

SNSやYouTube、書籍。

世の中には「初心者向けの必勝法」があふれている。

・「このインジケーターで勝率80%!」

・「1日15分、1万円稼ぐトレード法!」

・「月利20%!プロもやってる手法!」

情報を浴びれば浴びるほど、私は迷子になっていった。

「次はこれを試そう」「やっぱりあの方法がいいかも」

気づけば、自分の軸がどんどん消えていった。

🧭少しずつ、気づき始めたこと

ある投資本の一文が、妙に心に刺さった。

「投資には万人の正解はない。だからこそ、自分のやり方を見つけることが大切なんだ。」

それって、まるで人生そのものだと思った。

誰かの成功をそっくり真似するだけじゃ、うまくいかない。

自分の性格、資金、生活リズム、感情のクセ。

それら全部と向き合った先にしか、私にとっての正解はないんだ。

☕️コーヒーを飲みながら、また振り出しへ

正直に言えば、今の私はまだ結果を出せていない。

でも、「焦って他人の真似をするのはやめよう」と決めてから、少しだけ心が静かになった。

朝のコーヒーを飲みながら、

ゆっくりチャートを眺めて、

自分のペースでルールを組み立ててみる。

この遠回りの先に、自分にしか分からない道があるかもしれない。

そう信じて、今日もパソコンの前に座る。

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