【街で見かけたシリーズ 30話】

街で見かけた企業シリーズ 深掘り

コダック「チャーメラ」とスリコのミニデジカメから見えた、写真文化の第二幕

最近、街でやたらと小さなデジカメを首から下げている子を見かけない?
最初は「トイカメラかな?」くらいにしか思ってなかったんだけど、調べてみたら、その裏にちゃんと投資家がニヤッとする理由が隠れていた。


目次


1. 街で見かけた、小さな黄色いカメラの正体

ある日、カフェでコーヒーを飲んでいたら、隣の席の高校生くらいの子が、手のひらサイズの黄色いカメラをいじっていた。
スマホで撮ればいいのに、わざわざその小さなカメラで撮って、友達と「え、かわいい」「それ当たりじゃん!」と盛り上がっている。

気になってこっそり検索してみたら、出てきた名前が「チャーメラ」。コダックが出している、キーホルダー付きの超小型デジカメだ。
価格は約6,000円。色やデザインがいくつもあって、箱を開けるまでどの子が出てくるか分からない。さらに、50分の1くらいの確率で「レアデザイン」が入っているらしい。

……ああ、これは流行るやつだ。
ガチャ要素と、レトロっぽいルックスと、「スマホじゃないカメラ」を持つちょっとした特別感。
しかも、撮った写真はちゃんとデータとしてPCに取り込める。トイっぽいのに、機能はトイじゃない。このバランスが絶妙だ。

2. コダック「チャーメラ」が刺さる3つの理由

チャーメラがここまでバズっている背景には、ざっくり言うとこの3つがあると思っている。

  1. レトロブランドの再解釈
    コダックと聞くと、フィルムカメラ全盛期を思い出す人も多いはず。親世代には懐かしく、Z世代には逆に新しい。
    「昔のブランドが、今っぽい姿で戻ってきた」と感じられるのは、それだけでストーリーになる。
  2. ランダム封入というガチャ文化
    開けてみないと何が出るか分からない、という仕組みは、もはやZ世代の標準エンタメ。
    コレクション要素があるから、1個買って終わりではなく「もう1個だけ…」のループを生み出す。
  3. スマホじゃないカメラを持つアイデンティティ
    スマホで何でも撮れる時代だからこそ、あえて別のデバイスで撮ることに価値が出てきている。
    首からぶら下げておくだけで、「写真が好きな人」っぽい空気をまとえるのもポイントだ。

投資家目線で見ると、チャーメラは「復活を狙う老舗ブランドの、かなり上手な一手」に見える。
ただし、ここで一歩引いて考えたいのは「このブーム、どこまで継続するの?」という視点だ。

📸 KODAK CHARMERA(チャーメラ)

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3. 日本にはスリコがいた!3COINSミニデジカメの破壊力

チャーメラを追いかけて調べていたら、日本でもよく似たアイテムを見つけた。
そう、みんな大好き3COINS(スリーコインズ)のミニデジカメだ。

価格はおおよそ1,500円前後。チャーメラの約4分の1。しかも、スリコらしくカラー展開が豊富で、アクセサリー感覚で選べる。
店頭では売り切れ報告も多く、SNSには「子どもの誕生日プレゼントに買った」「推し活用に2色買いした」など、リアルな声が並ぶ。

ここで面白いのは、チャーメラとスリコが、同じミニデジカメというカテゴリを、別の角度から盛り上げているということだ。

  • チャーメラ:ブランドストーリーとレア要素で刺す、やや高価格帯の推しガジェット
  • スリコ:誰でも手が届く価格で、「とりあえず1個試してみようかな」を量産する入口担当

そして、このスリコを運営しているのが、パルグループホールディングス
ファッションや雑貨ブランドを多数展開している、日本の上場企業だ。ここからが、投資家としては俄然おもしろくなってくる。

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4. チャーメラ vs スリコ、ビジネスモデルの違い

ざっくり比較すると、こんなイメージだ。

観点コダック「チャーメラ」3COINS ミニデジカメ
価格帯約6,000円約1,500円前後
狙っている層ガジェット好きなZ世代・20代小中学生〜20代、子育て世代
強み老舗ブランドのノスタルジー × レア封入圧倒的な手に取りやすさ × 店頭展開のスピード
販売チャネル家電量販店、EC、限定ショップなど全国のスリコ店舗+オンラインストア
投資家視点老舗ブランド復活の象徴プロダクト「流行を形にする力」を持つ小売企業

チャーメラ単体を見ると、「面白い商品のヒット」で終わってしまいがち。
一方、スリコはミニデジカメだけではなく、次のバズ商品を生み出す装置として機能している。

つまり、投資家として見るべきなのは「どのカメラが当たるか?」ではなく、
「ヒットを連発できる仕組みを持っている会社はどこか?」という視点だ。

5. 投資家としてどこを見る?パルグループHDという選択肢

パルグループHDは、3COINSだけの会社ではない。
アパレル、雑貨、インテリア、カフェ…と、ライフスタイル全体にまたがるブランドポートフォリオを持っている。

その中で、スリコはトレンドの実験場として機能しているように見える。
ミニデジカメのような、SNS起点のバズ商品を次々と投入し、売れ方や客層の反応をリアルタイムで観察できる場所だ。

投資家として面白いポイントは、例えばこんなところだろう。

  • ヒット商品が出るたびに、関連グッズシリーズ展開がしやすい
  • 来店のきっかけ商品になり、他の雑貨やアパレルの売上も底上げする
  • 「若い世代のリアルな流行」がダイレクトに数字に現れる

チャーメラがバズっている今、
「日本のミニデジカメブームの裏側で、誰が一番恩恵を受けるのか?」と考えると、
スリコを持つパルグループHDは、かなり有力な候補に入ってくる。

もちろん、ここで書いているのはあくまで街で見かけた投資アイデアであって、特定銘柄の売買をすすめるものではない。
でも、街で流行っているものをきっかけに、企業の裏側を覗きにいく癖は、投資を何倍も面白くしてくれる。

6. 結論:バズっているのは“カメラ”ではなく「新しい写真文化」

チャーメラとスリコのミニデジカメを追いかけてみて、改めて思った。
いまバズっているのは、「カメラ」というモノそのものだけじゃない。

・スマホとは違う質感で撮る楽しさ。
・首から下げて歩く、ちょっとした自己表現。
・箱を開けるまで分からないワクワク。
・友達と「それ当たりじゃん!」と盛り上がるコミュニケーション。

その全部をまとめて、ぼくは「新しい写真文化の第二幕」だと思っている。

そして、その変化は必ずどこかの企業の数字に跳ね返ってくる。
だからこそ、街で小さなカメラを見かけたときは、ちょっとだけ立ち止まってみたい。

「このブームの裏で、いちばんニコニコしている会社はどこだろう?」
そんな視点で世界を見ると、いつものショッピングモールも、投資家にとっての宝探しのフィールドに変わっていく。

今日も、街はヒントだらけだ。📷✨

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