【街で見かけたシリーズ 34話 深掘り】

街で見かけた企業シリーズ 深掘り

街で行列ができる理由。アシックスとオニツカタイガーを投資家目線で見てみた

最近、街を歩いていて気になっている光景がある。
原宿や銀座、観光地の一角で、朝から人が並んでいる店。
それが、オニツカタイガーだ。

よく見ると並んでいるのは日本人だけではない。
外国人観光客が多く、足元には同じロゴのスニーカー。
この光景を見て、ふと「これ、投資目線だとどうなんだろう」と思った。

オニツカタイガーは「スニーカー屋」ではない

オニツカタイガーというと、レトロなスニーカーの印象が強い。
だが実際には、現在のオニツカタイガーはそれだけではない。

・アパレル(ジャケット、パンツ、Tシャツ)
・バッグ、アクセサリー
・海外ブランドとのコラボ商品

いわゆる「ライフスタイルブランド」としての展開が進んでいる。
これは単なるスニーカー需要ではなく、
単価と利益率を引き上げる構造を作っているという点で重要だ。

インバウンド人気が示すブランドの位置づけ

街で見かけるオニツカタイガーの顧客層は、明らかに変わってきている。
特に目立つのがインバウンド需要だ。

海外の観光客にとって、
・日本ブランド
・レトロだが洗練されている
・ナイキやアディダスほど被らない

このポジションは非常に強い。
「日本でしか買えない」「日本発祥」というストーリーが、
ブランド価値を押し上げている。

アシックスのブランド分離戦略

ここで注目すべきは、オニツカタイガーがアシックス傘下である点だ。

アシックスは明確にブランドを分けている。

・アシックス本体:競技用、ランニング、機能性重視
・オニツカタイガー:デザイン、ライフスタイル、ファッション

この分離により、
「機能で戦う市場」と「感性で戦う市場」を同時に取りにいっている。

これはブランド毀損を避けつつ、
市場を広げる非常に合理的な戦略だと感じる。

なぜ今、アシックスが評価されているのか

近年、スポーツブランドの勢力図は変化している。

ナイキは成長鈍化が指摘され、
アディダスも回復途上という評価が多い。

その中で、アシックスは

・ランニング分野での強み
・高付加価値モデルの成功
・オニツカタイガーの成長

といった複数の柱を持つようになった。
結果として、利益率の改善と市場評価の上昇につながっている。

単なる一時的なブームではなく、
収益構造の質が変わってきている点は投資家として注目したい。

数字で見るアシックスの現在地

街での体感だけで終わらせないために、
ここで少し数字を見ておきたい。

アシックスの業績は、ここ数年で明確に改善している。

  • 売上高:右肩上がりで成長基調
  • 営業利益:過去最高水準を更新
  • 営業利益率:10%台後半〜20%近辺まで改善

特に注目したいのは、
「売上が伸びている」だけでなく、
利益率がしっかり上がっている点だ。

これは単なる量の成長ではなく、
高付加価値モデルやブランド力が効いてきている証拠と言える。

株価が示す市場の評価

株価を見ても、アシックスに対する市場の見方は変わってきている。

数年前まで、アシックスは
「堅実だが地味なスポーツメーカー」
という評価に近かった。

しかし現在は、
・収益構造の改善
・ブランド戦略の成功
・グローバル展開の進展

これらが評価され、
株価は中長期で大きく水準を切り上げてきた。

ナイキの成長鈍化が意識される中、
アシックスやアディダスといった
「地に足のついたブランド」に資金が向かっている流れも感じる。

オニツカタイガーは利益の塊になり得るか

投資家目線で特に面白いのが、オニツカタイガーの存在だ。

オニツカタイガーは

  • 価格帯が高め
  • セール依存度が低い
  • インバウンド需要と相性が良い

つまり、
利益率を押し上げやすいブランドだと言える。

スポーツシューズ一本足ではなく、
「機能ブランド」と「ライフスタイルブランド」を分けて育てている点は、
長期投資家にとって安心材料になる。

街から見える投資ヒント

今回改めて感じたのは、
「決算より先に、街が教えてくれることがある」ということだ。

行列ができているか。
どんな人が買っているか。
価格帯はどうか。

そうした情報は、IR資料には載っていない。
だが、企業の今を知るには十分なヒントになる。

オニツカタイガーの行列は、
アシックスが単なるスポーツメーカーから、
グローバルなブランド企業へ変化している兆しにも見えた。

街を歩くことは、
最高の現地視察なのかもしれない。

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