街で行列ができる理由。アシックスとオニツカタイガーを投資家目線で見てみた
最近、街を歩いていて気になっている光景がある。
原宿や銀座、観光地の一角で、朝から人が並んでいる店。
それが、オニツカタイガーだ。

よく見ると並んでいるのは日本人だけではない。
外国人観光客が多く、足元には同じロゴのスニーカー。
この光景を見て、ふと「これ、投資目線だとどうなんだろう」と思った。
オニツカタイガーは「スニーカー屋」ではない
オニツカタイガーというと、レトロなスニーカーの印象が強い。
だが実際には、現在のオニツカタイガーはそれだけではない。
・アパレル(ジャケット、パンツ、Tシャツ)
・バッグ、アクセサリー
・海外ブランドとのコラボ商品
いわゆる「ライフスタイルブランド」としての展開が進んでいる。
これは単なるスニーカー需要ではなく、
単価と利益率を引き上げる構造を作っているという点で重要だ。
インバウンド人気が示すブランドの位置づけ
街で見かけるオニツカタイガーの顧客層は、明らかに変わってきている。
特に目立つのがインバウンド需要だ。
海外の観光客にとって、
・日本ブランド
・レトロだが洗練されている
・ナイキやアディダスほど被らない
このポジションは非常に強い。
「日本でしか買えない」「日本発祥」というストーリーが、
ブランド価値を押し上げている。

アシックスのブランド分離戦略
ここで注目すべきは、オニツカタイガーがアシックス傘下である点だ。
アシックスは明確にブランドを分けている。
・アシックス本体:競技用、ランニング、機能性重視
・オニツカタイガー:デザイン、ライフスタイル、ファッション
この分離により、
「機能で戦う市場」と「感性で戦う市場」を同時に取りにいっている。
これはブランド毀損を避けつつ、
市場を広げる非常に合理的な戦略だと感じる。
なぜ今、アシックスが評価されているのか
近年、スポーツブランドの勢力図は変化している。
ナイキは成長鈍化が指摘され、
アディダスも回復途上という評価が多い。
その中で、アシックスは
・ランニング分野での強み
・高付加価値モデルの成功
・オニツカタイガーの成長
といった複数の柱を持つようになった。
結果として、利益率の改善と市場評価の上昇につながっている。
単なる一時的なブームではなく、
収益構造の質が変わってきている点は投資家として注目したい。
数字で見るアシックスの現在地
街での体感だけで終わらせないために、
ここで少し数字を見ておきたい。
アシックスの業績は、ここ数年で明確に改善している。
- 売上高:右肩上がりで成長基調
- 営業利益:過去最高水準を更新
- 営業利益率:10%台後半〜20%近辺まで改善
特に注目したいのは、
「売上が伸びている」だけでなく、
利益率がしっかり上がっている点だ。
これは単なる量の成長ではなく、
高付加価値モデルやブランド力が効いてきている証拠と言える。
株価が示す市場の評価
株価を見ても、アシックスに対する市場の見方は変わってきている。
数年前まで、アシックスは
「堅実だが地味なスポーツメーカー」
という評価に近かった。
しかし現在は、
・収益構造の改善
・ブランド戦略の成功
・グローバル展開の進展
これらが評価され、
株価は中長期で大きく水準を切り上げてきた。
ナイキの成長鈍化が意識される中、
アシックスやアディダスといった
「地に足のついたブランド」に資金が向かっている流れも感じる。
オニツカタイガーは利益の塊になり得るか
投資家目線で特に面白いのが、オニツカタイガーの存在だ。
オニツカタイガーは
- 価格帯が高め
- セール依存度が低い
- インバウンド需要と相性が良い
つまり、
利益率を押し上げやすいブランドだと言える。
スポーツシューズ一本足ではなく、
「機能ブランド」と「ライフスタイルブランド」を分けて育てている点は、
長期投資家にとって安心材料になる。
街から見える投資ヒント
今回改めて感じたのは、
「決算より先に、街が教えてくれることがある」ということだ。
行列ができているか。
どんな人が買っているか。
価格帯はどうか。
そうした情報は、IR資料には載っていない。
だが、企業の今を知るには十分なヒントになる。
オニツカタイガーの行列は、
アシックスが単なるスポーツメーカーから、
グローバルなブランド企業へ変化している兆しにも見えた。
街を歩くことは、
最高の現地視察なのかもしれない。
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