【私の趣味のストーリー裏話 11話】器と寿司と、プロポーズの話。

私の趣味のストーリー 裏話

📘 目次

🍣 初めて「誰かのため」に器を使った日

自分で釣って、自分で捌いた魚を握り、それを自分で作った器に盛って出す。

そんな回りくどいことを、私はなぜか無性にやってみたくなった。

最初に声をかけたのは、もちろんケンタ。

私の作品第一号を、人生で一番見せたい人だったからだ。

食卓に並んだのは、いつもの自作寿司。

でも、その日は違った。「この器すごくない?」って聞く前に、彼の口が開いていた。

「お、なんだこの皿!?…なんか、すげぇ…」

この言葉が、たぶん一生忘れられない。

🎁 器を贈るという体験

この一件から、「器って贈り物になるんだ」と気づいた私は、

身近な人へのプレゼントとして、自作の器を渡すようになった。

・母の誕生日に似合うマグカップ

・友達の引っ越し祝いに、取り皿と箸置きセット

・甥っ子には、ちょっと不格好だけどかわいいミニどんぶり

どれもラッピングして、メッセージカードを添えて。

「使ってくれるかな?」って不安もあったけど、反応は予想以上だった。

「え、これ本当にあなたが作ったの?」

「すごい…これ、毎日使うね!」

自分の「好き」が、誰かの日常に溶け込むというのは、本当に嬉しい。

💍 小皿がつないだ、奇跡のプロポーズ

ある日、かつて私がプレゼントした小皿がプロポーズの舞台になったという連絡が届いた。

なんとそのカップルは、ふたりで作った料理をその小皿に盛って毎日食べていて、

プロポーズの時、その器と一緒に「これからもこのお皿でご飯を食べよう」って伝えたらしい。

私は、号泣した。

器がなければプロポーズができなかったとは思わない。

でも、あの器が、ふたりの思い出の一部になれたのなら…

私はこの手で、誰かの特別な瞬間を少しだけ彩れたのなら、もう十分だと思った。

📝 あとがき:感動の種を蒔き続けたい

作品は作品でしかないけれど、

そこに誰かの思い出が重なった瞬間、魔法になる。

私はアーティストでも陶芸家でもないけど、

この魔法の瞬間に立ち会えるなら、どれだけ時間がかかっても作り続けたい。

「好き」が巡り、笑顔が生まれて、小さな感動の輪になる。

そんな奇跡を、これからもそっと蒔き続けていきたいと思っている。

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