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【私の趣味のストーリー裏話】5話 寿司の呼吸、シャリの型!光の指先が生まれた夜。

私の趣味のストーリー 裏話

気づけば、我が家の冷蔵庫には常にアジかイワシが入っていた。

なぜなら私は――寿司修行中だったから。

スーパーの特売で魚を見つけては、迷わずカゴにIN。

家に帰ると、せっせと捌いては「シャリよ、整え!」と気合で握る。

家族はもうすっかり慣れたもので、

「また寿司?」

と呆れ顔をしながらも、ちゃんと味見してくれるのが唯一の救いだった。

握りは「リズム」と「呼吸」

何百本と見続けた寿司動画。

プロの手元ばかりを食い入るように見つめていると、ある違和感に気づいた。

ただ形を真似してるだけじゃ、うまくいかない。

職人の指先には、見えないリズムと呼吸のようなテンポがあった。

握る力、指の角度、ネタの包み方…

すべてが呼吸するように自然で、優しい。

まるで「寿司と対話してる」みたいだった。

「力」で握るんじゃない。「心地よさ」を握るんだ。

ある夜、動画を見ていた私の指がピクリと反応した。

今まで握るたびにベチャベチャになっていたご飯が、スルッと離れた。

力加減が分かった気がした。

シャリにじゃなく、余白を与える。

粒を潰すんじゃなく、粒と粒を寄り添わせる。

…そうか。

これが寿司の呼吸なのかもしれない。

形も少しずつ楕円に近づいていった。

まだまだ完璧じゃないけど、明らかに「何か」が変わり始めていた。

ケンタの一言が、光になった

ある日、弟ケンタに自信作を振る舞ってみた。

見た目はまだ「寿司っぽい何か」だけど、心を込めて差し出す。

ケンタは一口食べて、目を見開いた。

「お、おいしい!マジで上手くなったな!」

…その一言で、全部報われた気がした。

何度も失敗して、笑われて、でも続けてきた。

それが、ちゃんと誰かの舌に届いた瞬間だった。

寿司沼は、まだまだ深い

そこから私は、さらなる深みへ。

酢飯の温度、ネタの厚み、ワサビの塗り方。

今では魚屋の店員さんに、

「このネタ、握りに向いてますか?」

と聞いてしまう始末(笑)

でも、それでいいと思う。

好きなことって、気づけばどんどん深みにハマっていくものだから。

結びにかえて

私の指先は、もうただの指じゃない。

試行錯誤を重ね、失敗を繰り返して生まれた「光の指先」だ。✨

寿司の道は、まだまだ続く。

今日も私は、スーパーでアジを手に取りながらこう思う。

「ふふ、今日はいい握りができそうだな」

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