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【私の趣味のストーリー裏話】8話   「土の声が聞こえた日」——理想の寿司皿を求めて泥だらけになった私の話

私の趣味のストーリー 裏話

陶芸って、思ってた以上に泥くさい

でも、それがすごく面白かった——。

ろくろと格闘する日々が始まった

最初はただの泥の塊だった。

でもろくろを回し、土に触れ、指を使ってかたちを整えていくうちに、だんだん器っぽい何かが生まれてくる。

先生が「いいですね、形が見えてきましたよ」と言ってくれた時、私はもう夢中だった。

寿司皿にこだわる理由

なぜかというと、寿司を握るようになったからだ。

魚を捌き、寿司を握り、「食の美しさ」にどんどん引き込まれていった私は、次に「それを乗せる器」にまで関心が向いた。

アジの青、タイの白、マグロの赤……。

その色が一番映える「究極の皿」を作りたくなったのだ。

陶芸教室に通ってわかったこと

陶芸教室では、ベテランのおばあちゃんが湯呑みについて語り、若い男性がコーヒーカップへのこだわりを熱く語っていた。

みんな器フェチとも言えるような熱量で、

「ただの道具」ではなく「使う人の想い」を込めて作っていた。

それに影響された私は、

「美しい食卓は、器から始まる」

という意識を持つようになっていった。

土の声が聞こえた瞬間

ある日、ろくろを回しながら集中していたら、

土がまるで生きてるように感じた。

フッと力を抜いたように、私の指先にスッと馴染む。

その時、初めて思った。

「これだ…!」と。

まるで土が「こうしてほしい」と語りかけてきたみたいだった。

形を真似るのではなく、引き出す

この日を境に、私の器づくりは「型を真似る段階」から、「土の個性を引き出す段階」へと進んだ。

焼き上がった時の風合いや釉薬の色も想像しながら、一つずつ丁寧に作るようになった。

「食」を彩る、もうひとつの芸術

釣りをして

魚を捌いて

寿司を握って

そして今、土と向き合っている。

全部、ひとつの「食」に繋がってる。

私は、食を通じて人生を楽しむ方法を見つけた気がする。

おわりに

この「好き」はどこまで続くんだろう?

わからないけれど、ワクワクしている自分がいる。

今日もまた、私は土の声に耳を傾けながら、自分だけの美味しそうな器を追い求めているのだ。

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