
「もう笑えないかも」
かつて、そう思った日があった。
朝が来るのが怖くて、布団から出るのに2時間かかる。
お腹は空かないし、テレビの音もうるさい。
通知のバイブにすらビクッとする。
誰かの「大丈夫?」って優しさが、一番つらかった。
その言葉に、答えられるほど元気じゃなかったから。
私の中の「大丈夫じゃない」が、さらに騒ぎ出す気がして。
そんな日々から、少しずつ抜け出して、
今はこうして、文章を書くことができるようになった。
「また笑える日がくるよ」なんて、昔の自分に言いたいけど、
あの頃の私はきっと、信じなかったと思う。
少しずつ、心が前を向くようになったのは、
誰かに励まされたからじゃない。
無理やりポジティブになれたからでもない。
たったひとつ、「笑ってもいい瞬間」に出会えたから。
例えば、ふと立ち寄ったコンビニで、
甘めのラテを飲んで「おいしいな」って思った日。
Xで流れてきた、ゆるキャラの動画でクスッとした日。
その一瞬が、救いだった。
「今日、笑えたじゃん」って、自分に声をかけたくなった。
それが、はじまりだった。
今も、決して強くなったわけじゃない。
むしろ弱いままかもしれない。
だけど、
「あの頃の自分」と同じように苦しんでる誰かに、
少しでも寄り添える人でありたいと思った。
「大丈夫だよ」なんて軽く言えない。
でも、
「ひとりじゃないよ」とは、伝えたい。

だから、私は書く。
あの日の私に、今の私が言ってあげたかった言葉を。
直接届かなくてもいい。
だけど、どこかの誰かに、
「あ、これ自分かも」って思ってもらえたら。
そんな風に、誰かの隣に、そっと座るような文章を。
いつか、あなたがまた笑える日がくるまで、
静かに、そっと、灯りのように寄り添えたらいいな。
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