数年前の私にとって、
「楽しみ」という言葉は、ただの無縁なものだった。
忙しくて、しんどくて、心に余白なんてなかった。
起きて、会社へ行って、帰って、寝る。
その繰り返し。
楽しみを見つけるどころか、「今日も無事だった」と思えるだけで精一杯だった。
■ 「今日、ひとつだけ楽しみを見つけてみよう」
そんな私の心を、ふと引っかいた言葉がある。
ある日コンビニで手に取った、なんでもない小さなフリーペーパー。
その表紙には、たった一言──
「今日、ひとつだけ楽しみを見つけてみよう」
それだけの言葉。
でも、なぜか涙が出そうになった。

■ 最初の楽しみは、たったひとつのプリンだった
その夜、布団の中で考えてみた。
「……今日の楽しみって、あったっけ?」
答えはすぐに出なかった。
でも、ふと浮かんだのが、昼に食べたコンビニのプリン。
「まあ、美味しかったし、良かったかも」
たったそれだけ。
でも、不思議と肩の力が抜けて、
「今日、私にも良かったことがあったんだ」と思えた。
それだけで、眠る前の気持ちがほんの少しだけ軽くなった。
■ 楽しみを見つける習慣は、自分を優しく見つめる行為だった
そこから、毎日ひとつ「楽しみ」を探す習慣が始まった。
• 朝、少しだけ早起きできた
• 帰り道に、きれいな月が出ていた
• 雨の音を聞きながらゆっくりお風呂に入った
本当に小さなことばかり。
でも、探すという行動そのものが、
「今日も私、生きてたな」って確かめる行為になっていった。

■ 世界は同じなのに、見える景色が変わった
変化はゆっくりだった。
でも、気づけば朝起きるのが少し楽になっていた。
同じ日常なのに、目に入るものが違って見えた。
自分で自分の機嫌を取る力が、少しずつ戻ってきたような感覚。
■ 私にとって「楽しみを見つける」とは
・無理に笑うことじゃなくて
・大きな目標を作ることでもなくて
・他人と比べて元気になることでもない
「私の毎日の中にも、ちゃんと心がほっとする瞬間がある」
それに気づいていく作業だったんだと思う。
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