街で見かけた気になる企業 47話深掘り

街で見かけた企業シリーズ 深掘り

資生堂の美の検診はなぜ3万円でも成立するのか?横浜の新サービスから見えた未来戦略

 

「資生堂って、化粧品の会社でしょ?」

少し前までの自分なら、たぶんそう答えていたと思う。

化粧水、美容液、口紅、日焼け止め。
きれいになるためのものを作っている会社。

もちろんそれは間違っていない。
でも最近、横浜で資生堂がやっている美の検診のようなサービスを知って、その印象が少し変わった。

しかもその価格は約3万円。
それでも話題になっている。

正直、最初は驚いた。
化粧品を売るだけじゃなくて、
「その人の美しさを診る」ところまで踏み込むのか、と。

でも少し調べてみると、これは単なる話題づくりではなく、
資生堂がこれからどこで勝とうとしているのかが見える動きなんじゃないかと思えてきた。

今回は、横浜の美の検診を入口にしながら、
資生堂という会社を投資家目線で深掘りしてみたい。

資生堂が始めた美の検診は、普通の肌診断とはかなり違う

今回気になったのは、資生堂が横浜で展開している「Shiseido Beauty Diagnosis Lab」だ。

このサービスが面白いのは、いわゆるカウンターでの肌診断とはスケールが違うこと。

最初に行うのは、なんと瞑想体験。
メディテーションルームで心身を整えてから、測定に入る。

この時点で、もう普通のコスメ体験ではない。

測定するのは、肌だけではない。
角層タンパク、骨格、歩き方、感情の動きなど、全部で13種。

つまり資生堂は、
「肌を見る会社」ではなく、
その人の状態をまるごと捉える会社
に進もうとしている。

13種の測定と144通りのIDが意味するもの

この美の検診では、13種の測定結果から144通りのIDが導き出される。

そのIDをもとに、一人ひとりのビューティーカルテを作成。
研究員やアドバイザーが科学的根拠に基づいて美容習慣を提案していく。

ここで面白いのは、資生堂が売ろうとしているのが商品ではなく、

「あなたの美しさの設計図」

だという点だ。

これはかなり大きな変化だと思う。

なぜなら人は、
「なんとなく良さそう」よりも、
「自分に必要だと分かったもの」に対して、強く納得するからだ。

資生堂は商品ではなく美容設計を売ろうとしている

昔の美容はシンプルだった。

乾燥しているから保湿。
気になるからケア。
なんとなく試す。

でも今は違う。

美容医療、肌診断、インナーケア。
すべてが自分を理解する方向に進んでいる。

その中で資生堂は、
「あなたはこういう状態だからこう整える」
という領域に入ってきている。

これはもう、化粧品会社の枠を超えている。

3年後の顔を予測するという発想

このサービスでは、測定結果をもとに未来の顔まで予測できる。

これが意味するのは、

「今の選択が未来にどう影響するかを可視化する」

ということだ。

人は未来が見えると行動が変わる。

つまりこれは、単なる美容ではなく、
行動変容を起こす仕組みでもある。

3時間3万円でも成立する理由

このサービスは約3時間、料金は3万円。

決して安くはない。

それでも成立するのは、
単なる施術ではなく体験だからだ。

測定だけで終わらない。

トリートメント、食、映像。
肌・身体・心すべてにアプローチする。

つまりこれは、
「資生堂の世界観に入り込む体験」
になっている。

この設計があるから、価格が意味を持つ。

資生堂の強みは研究を体験化できること

資生堂の本当の強みはブランドだけじゃない。

長年積み上げてきた研究開発だ。

そしてそれを、
商品ではなく体験として提供できること。

ここが他社との大きな違いになる。

研究 → 体験 → データ → 商品

この循環を作れる会社は強い。

資生堂が狙っているのは美容習慣そのもの

このサービスの本質はここだと思う。

一回の売上ではなく、
その人の習慣に入り込むこと。

スキンケア、生活、選択。

それらを資生堂が設計する。

つまりこれは、

「一生その人に関わるビジネス」

に近い。

これができれば、かなり強い。

まとめ|街で見えたのは資生堂の未来だった

今回見た美の検診。

一見すると美容サービスの話。

でもその奥には、

商品、体験、信頼、習慣。

すべてをつなげる戦略があった。

資生堂はもう、ただの化粧品会社じゃない。

美しさを設計し、続けさせる会社

に変わり始めている。

街で見かけたのは美容だった。
でも見えてきたのは、資生堂の未来の稼ぎ方だった。

やっぱり、街は面白い。

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