「強くならなきゃ」が口癖だった頃
「大丈夫」「大丈夫」って、呪文のように繰り返していたあの頃。
本当はしんどくて、誰かに助けてほしかったのに、そんな自分を弱いって思いたくなくて。
感情にフタをして、笑って、黙って、踏ん張って。
「泣かない」「頼らない」「迷惑をかけない」
それがちゃんとした大人の姿だと思い込んでいた。
でもいつの間にか、その強さは私をどんどん追い込んでいった。
笑っているのに心は泣いていたし、「大丈夫なフリ」をしている自分が、本当は一番苦しかった。
崩れ落ちた瞬間に、やっと気づいたこと
ある日、通勤電車の中で、ふと涙が止まらなくなった。
何か特別なきっかけがあったわけじゃない。
ただ、「あ、もう無理かも」ってふと感じた瞬間に、心のダムが崩れてしまった。
まわりの目も気にならなかった。涙が溢れて、止まらなかった。
あの時、ようやく私は自分が弱っているという事実に気づけた。
家に帰って、ぼんやりとスマホを眺めていた時、
あるエッセイの一文が目に入った。
「弱さを見せられる人は、本当は強い」
…その言葉に、救われた。
はじめて「助けて」と言ってみた日
次の日、勇気を出して、ひとことだけ「助けて」と言ってみた。
すごく怖かった。
拒絶されるかもしれない、自分が情けない人間だって思われるかもしれない、そんな不安でいっぱいだった。
だけど返ってきた言葉は、
「気づけなくてごめんね」だった。
その一言に、世界が少し変わった気がした。
自分の弱さを受け止めてくれる人が、ちゃんといたんだって。
「迷惑かけちゃいけない」なんて思い込んでたけど、
誰かと支え合って生きていくって、こういうことなのかもしれない。
「弱さを隠さない生き方」に憧れて
今の私は、もう完璧じゃなくていいと思っている。
疲れてるなら休んでいいし、泣きたい時は泣けばいい。
誰かに頼っても、弱音を吐いても、ちゃんと自分を大切にすることの方がずっと大事だ。
「弱さを隠さない生き方」って、ただ甘えることじゃない。
自分をちゃんと見つめて、受け止めてあげる勇気のこと。
ストレスで潰れそうだった自分も、逃げたかった日々も、
振り返ってみれば、どれもちゃんと私の一部だった。
もう、否定しない。
あの頃の私に、ちゃんと伝えたい。
「よくがんばったよ。あの頃の自分がいたから、今があるよ」
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