夜のコンビニで飲んだ、あの一杯のコーヒー。
それはただのホットドリンクだったはずなのに、
私の中には、小さな温もりとして残り続けていた。
あの夜、ベンチに座って見上げた夜空を思い出すと、
「もう少しだけ、生きてみようかな」
そんな気持ちが、心の奥からほんの少しだけ湧いてきた。
翌朝、もう一度コンビニへ
翌朝、私はふらっとまた同じコンビニに足が向いていた。
行くあてもない。仕事も、特別な予定もない。
ただ、あの香りにもう一度触れたくなった。
レジ横のマシンがカタンカタンと鳴って、
手のひらには、紙カップの温かさがじんわりと広がる。
鼻先をくすぐるコーヒーの香り。
昨日と同じはずなのに、今日は少し違って感じた。

空を見上げるだけでも、心が落ち着いた
誰にも会わず、どこにも行かず。
ただ空を見上げ、深呼吸をする。
それだけで、昨日まで重くのしかかっていた気持ちが
少しだけ軽くなっていることに気づいた。
ほんの小さな変化。
だけど、こういうのが「生きてる」ってことなのかもしれないと思った。
数ヶ月前の私からのメッセージ
家に戻って、ふと引き出しを開けた。
ずっと開けられなかったメモ帳がそこにある。
あの頃は、見るのが怖かった。
でも、今日はなぜか自然に手が伸びた。
ページをめくると、そこには一言、こう書かれていた。
「大丈夫。わたしはまだ大丈夫。」
それを見た瞬間、涙がスッとこぼれた。
他人からもらった励ましじゃない。
過去の自分が、苦しい中で必死に書き残していた言葉だった。

絶望の中で見えた、小さな光
今までずっと、心の中は真っ暗だった。
何も見えなくて、希望なんて1ミリも持てなかった。
だけど、
昨日の夜のコーヒー、
今日の空の色、
そしてメモ帳に残されていた私からの言葉。
それらが、バラバラだった心の中に
そっと光を差し込んでくれたように思えた。
「明日も、コンビニに行ってみようかな」
そんな風に思えるようになった朝は、
私にとって絶望の底で見つけた、最初の光だった。
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