☕️はじめに
「もしかして私、投資に向いてないのかも…」
そんな気持ちが、毎朝のコーヒーに溶けていくようだった。
信用取引で40万円を一夜にして失ったあの日から、時間は経っているのに、心はまだ前に進めていなかった。
だけど、完全に諦めたわけじゃなかった。
「もう一度、挑戦してみたい」
そんな時、たまたまYouTubeである人物の動画を見かけた。
🎥「この人のやり方なら、勝てるかも…」
その人は、1日数千円から数万円をスキャルピングという手法で稼いでいた。
スキャルピングとは、数秒〜数分の超短期で売買を繰り返す取引スタイル。
目にも止まらぬ速さで「買い」「売り」を繰り返し、少しの値動きで利益を狙う。
「これなら…私にもできるかもしれない」
そう思ってしまったのは、焦っていたせいだったのかもしれない。
📉そして始まった真似っこトレード
翌朝、私はそのトレーダーの動画で紹介されていた通りの手法を真似して、トレードを始めた。
・板(買い注文と売り注文のリスト)を見て
・チャートの形をチェックして
・1円でも利益が出たら即売り!
……だけど、現実はそんなに甘くなかった。
注文ボタンを押す手は震え、指が遅れて約定(注文成立)タイミングを逃す。
一瞬の判断ミスで、損失がどんどん膨らんでいく。
「えっ、なんで!?」

何もかも、動画で見たようにはいかなかった。
💸型だけ真似ても、勝てない
やってることは同じはずだった。
エントリーのタイミング、損切りの設定、利確のポイント。
でも、気づいてしまった。
「性格も、経験も、環境も、全く違う」
そりゃうまくいくはずがない。
例えば、その人は専業トレーダー。
私は家事の合間や昼休みにスマホ片手に操作する兼業トレーダー。
そもそも、「一瞬の判断」が必要なトレードを、集中力の切れやすい自分がやろうとしたのが間違いだった。
再現性のある手法って言葉に弱かったけど、それは「再現できる人がいる」だけで、必ずしも自分が再現できるとは限らないんだ。
🌀投資の迷路に迷い込んでいた
SNSやYouTube、書籍。
世の中には「初心者向けの必勝法」があふれている。
・「このインジケーターで勝率80%!」
・「1日15分、1万円稼ぐトレード法!」
・「月利20%!プロもやってる手法!」
情報を浴びれば浴びるほど、私は迷子になっていった。
「次はこれを試そう」「やっぱりあの方法がいいかも」
気づけば、自分の軸がどんどん消えていった。
🧭少しずつ、気づき始めたこと
ある投資本の一文が、妙に心に刺さった。
「投資には万人の正解はない。だからこそ、自分のやり方を見つけることが大切なんだ。」
それって、まるで人生そのものだと思った。
誰かの成功をそっくり真似するだけじゃ、うまくいかない。
自分の性格、資金、生活リズム、感情のクセ。
それら全部と向き合った先にしか、私にとっての正解はないんだ。

☕️コーヒーを飲みながら、また振り出しへ
正直に言えば、今の私はまだ結果を出せていない。
でも、「焦って他人の真似をするのはやめよう」と決めてから、少しだけ心が静かになった。
朝のコーヒーを飲みながら、
ゆっくりチャートを眺めて、
自分のペースでルールを組み立ててみる。
この遠回りの先に、自分にしか分からない道があるかもしれない。
そう信じて、今日もパソコンの前に座る。
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