楽しむことに、もう罪悪感を持たなくなった
前の私は、楽しむことがあまり得意ではありませんでした。
楽しいことが嫌いだったわけではありません。
むしろ、本当は楽しいことが好きでした。
でも、心のどこかでいつも思っていました。
「こんなことをしていていいのかな」
と。
やらなければいけないことがある。
頑張っている人がいる。
もっと努力しなければいけない。
もっとちゃんとしなければいけない。
そんな思いが、いつも頭のどこかにありました。
だから、せっかく楽しい時間を過ごしていても、心の底から楽しめないことがありました。
友達と話していても。
美味しいものを食べていても。
綺麗な景色を見ていても。
どこかで、もう一人の自分が言うのです。
「そんなことしてる場合じゃないでしょ」
と。

楽しむことに罪悪感があった頃
ストレスで潰れかけていた頃の私は、休むことも、楽しむことも、どこか下手でした。
何もしない時間があると、不安になる。
遊んでいると、申し訳なくなる。
笑っていても、あとから急に現実に引き戻される。
今思えば、私はずっと「頑張っていない自分には価値がない」と思い込んでいたのかもしれません。
だから、楽しい時間でさえ、心から受け取ることができませんでした。
楽しい。
嬉しい。
幸せ。
そんな感情が出てきても、すぐに打ち消してしまう。
まだ足りない。
もっと頑張らなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。
そうやって、自分で自分の心を休ませないようにしていました。
海外で気づいた、小さな楽しい
でも、海外に来てから少しずつ変わっていきました。
ある日、友達と出かけた帰り道。
特別な場所に行ったわけではありません。
すごいイベントがあったわけでもありません。
ただ歩いて。
ただ話して。
ただ笑っていた。
それだけでした。
でも、その時ふと思ったのです。
「楽しい」
本当に、ただそれだけでした。
何かの役に立つ時間ではない。
何かを達成したわけでもない。
成長した証拠があるわけでもない。
それでも、その時間は確かに幸せでした。
そして私は、少し驚きました。
楽しいって、こんなに素直に感じていいものだったんだ。
楽しむことに、理由なんていらなかったんだ。
毎日ひとつ、楽しいことを見つける
それから私は、少しずつ毎日の中にある楽しいことを探すようになりました。
美味しいコーヒーを飲めた。
空が綺麗だった。
友達と少し笑えた。
知らない道を歩いたら、可愛いお店を見つけた。
お店の人が優しかった。
風が気持ちよかった。
本当に、小さなことばかりです。

でも、その小さな楽しいを見つけるだけで、少しだけ一日の見え方が変わりました。
前の私は、嫌だったことや不安なことばかり数えていました。
できなかったこと。
足りなかったこと。
失敗したかもしれないこと。
そういうものばかりを拾い集めて、自分で自分を苦しくしていました。
でも、楽しいことをひとつ見つけようとすると、視線が少し変わります。
今日も悪いことばかりじゃなかった。
ちゃんと嬉しい瞬間もあった。
そう思えるだけで、心がほんの少し軽くなりました。
幸せは、大きな出来事だけじゃない
昔の私は、幸せはもっと大きなものだと思っていました。
何かを達成した時。
誰かに認められた時。
特別な結果を出した時。
そういう時だけ、幸せを感じていいような気がしていました。
でも今は少し違います。
幸せは、もっと小さくてもいい。
誰かに見せられるような立派なものじゃなくてもいい。
ただ自分が、少し嬉しかった。
少し楽しかった。
少し安心できた。
それだけでも、ちゃんと幸せなのだと思います。
そして、そういう小さな幸せに気づけることは、きっと自分を守る力になるのだと思いました。
楽しむことは、逃げることじゃなかった
以前の私は、楽しむことをどこか「逃げ」のように感じていました。
現実から目を背けているような気がしていました。
でも、本当は違ったのだと思います。
楽しむことは、現実から逃げることではありません。
苦しい現実の中でも、自分の心を少しだけ回復させること。
明日も生きるために、今日の中に小さな光を見つけること。
それは、とても大切なことでした。
人は、ずっと頑張り続けることはできません。
ずっと我慢し続けることもできません。
だからこそ、日常の中にある小さな楽しいを受け取ることは、甘えではなく、必要なことだったのだと思います。
この時間にも、終わりがある
そんなふうに少しずつ楽しめるようになってきた頃、私は別のことにも気づき始めていました。
この海外での時間は、ずっと続くわけではない。
いつか日本に帰る日が来る。
そう思うと、少し寂しくなりました。
せっかく楽しいと思えるようになったのに。
せっかく自分を少し許せるようになったのに。
この場所を離れたら、また前の自分に戻ってしまうのではないか。
そんな不安もありました。
でも、同時に思いました。
この場所で見つけたものは、きっと持って帰れる。
毎日ひとつ、楽しいことを見つけること。
無理して笑わなくてもいいと思えたこと。
自分の気持ちを、少しずつ受け取れるようになったこと。
それは、場所が変わっても、私の中に残る気がしました。
楽しんでいい
今なら少しだけ思えます。
楽しんでいい。
笑っていい。
嬉しいと思っていい。
何かを成し遂げていない日でも。
完璧に頑張れなかった日でも。
少し楽しいと思える瞬間があったなら、それをちゃんと受け取っていい。
それは、サボりではありません。
甘えでもありません。
生きるために必要な、心の栄養なのだと思います。
ストレスで潰れかけていた頃の私は、楽しむことに罪悪感を持っていました。
でも今は、少し違います。
楽しいことを見つけられる自分を、少しだけ大切にしたい。
そう思えるようになりました。
毎日ひとつ。
小さな楽しいを見つける。
それだけで、世界は少し優しく見える。
そんなことに気づけた日でした。




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