【コーヒー飲んでたらシリーズ 18話深掘り】

コーヒーを飲んでたら投資家になった件シリーズ

失敗した銘柄が教えてくれた本当に見るべきこと

目次

「なんか上がりそう」「人気だし伸びるでしょ」「みんな買ってるっぽいし大丈夫」

投資を始めたばかりの頃の私は、そんな雰囲気投資家でした。数字も見ているようで、実はほとんど見ていない。企業の中身なんて全然知らない。それでもどこかで「うまくいく気がする」と思っていたんですよね。

でも当然、そんなに甘くはなかった。

今回は、ある失敗した銘柄がきっかけで、「本当に見るべきものって何だったのか?」に気づかされた日の話です。

チャートとSNSだけ見ていた頃の私

投資を始めたばかりの頃、私が一番見ていたのは、チャートとSNSでした。

  • 右肩上がりのチャート → 「強そう!」
  • フォロワーの多い人が褒めている銘柄 → 「これは来る!」
  • ポジティブなコメントが多い → 「安心した、買おう」

逆に、

  • ネガティブな意見 → そっとスルー
  • 決算短信 → 難しそうでそもそも開かない
  • IR資料 → 数字多すぎて3秒で閉じる

今考えると、ほぼ「ノリと空気」でお金を突っ込んでいたようなものです。それでも最初のうちは、たまたまタイミングが合って利益が出ることもありました。

その小さな成功体験が曲者で、「あ、これでいいんだ」と勘違いしてしまったんですよね。

大きくやられたあの日、コーヒーが冷めるまで固まった

転機になったのは、とある銘柄で大きくやられた日でした。

そこそこ有名な企業で、SNSでも「期待!」の声が多かった銘柄。私もなんとなく乗ってみて、最初は少し含み益が出ていました。

ところが、ある日を境にジワジワと株価が下がり始める。

  • 「一時的な調整でしょ」
  • 「みんな持ってるし、きっと大丈夫」

そう自分に言い聞かせながら、ナンピンまでしてしまった結果…気づいたときには、画面の数字を見るのも嫌になるレベルの含み損になっていました。

その日、私はコーヒーを淹れて、スマホを握りしめたまま、しばらく動けませんでした。

「……なんで、これ買ったんだっけ?」

理由を探そうとしても、出てくるのはぼんやりした言葉ばかり。

  • 「有名だったから」
  • 「強そうって誰かが言ってたから」
  • 「チャートが上向きだったから」

どれも、その会社じゃなくてもいい理由ばかりでした。

そのとき初めて、真剣に考えました。

「私は何を見て、投資しているつもりだったんだろう?」

街を歩いて気づいた「現実のサイン」たち

その週末、頭を冷やしたくて、いつもよりゆっくり街を歩いてみました。スマホを手から離して、あえてチャートを見ない時間を作って。

すると、今まで背景としてしか認識していなかった景色に、いろんなものが見えてきたんです。

  • いつ見ても混んでいるカフェ
  • オープン当初は話題だったのに、最近はガラガラの店
  • 同じビルに、同じ企業のテナントがどんどん増えている様子
  • ショッピングバッグのロゴが、特定のブランド一色になっているエリア
  • ドラッグストアで、棚から一瞬で消える商品と、ずっと残っている商品

「あれ…これ、全部企業のリアルな状態なんじゃない?」

そう思った瞬間、頭の中のスイッチがカチッと切り替わりました。

私はこれまで、

  • 株価という結果
  • SNSというノイズ

ばかり見ていて、

「そもそもこの会社は、現場でどう見られているのか?」
という一番大事なところを、完全にスルーしていたんだと痛感しました。

企業の強みって、現場に全部出ている

それから、街を歩くときの目線がガラッと変わりました。

ただショッピングしているだけでも、自然とこんなことを考えるようになりました。

  • この店が混んでいる理由は何だろう?
  • 価格なのか、味なのか、世界観なのか、立地なのか
  • 来ているお客さんの年齢層は? リピーターっぽい人は多い?
  • スタッフの接客は? テキパキしている? どこかギスギスしてない?
  • 回転率は高い? お客さんはすぐ帰る? 長居する?
  • 近くに競合はある? それと比べて何が違う?

そうやって見ていくと、「この会社の強みってここなんだろうな」というポイントが、少しずつ見えてくるようになりました。

そして逆に、

  • なんとなく雰囲気が暗い店
  • 商品は悪くないのに人が入っていない店
  • スタッフの目が死んでいる店

を見たときには、

「ここにお金を預けるのは、ちょっと怖いな…」

と感じるようになっていきました。

この感覚は、チャートの形や一時的な株価の動きでは、絶対に得られなかったものです。

失敗は、宝の地図の最初のページだった

あの失敗した銘柄は、正直、今思い出しても胃がキュッとするくらい痛かったです。

でも、もしあの時の損失がなかったら、

  • 「本当に見るべきもの」はチャートじゃない
  • 街と人の動きにこそ、未来のサインがある
  • 投資は、机の上だけじゃなく外に出るほど学びが増える

ということには気づけませんでした。

失敗は、できればしたくない。 でも、致命傷にならない範囲での失敗は、

「自分だけの投資地図」を描き始めるための、最初の1ページ

だったんだと思います。

そこから少しずつ、

  • 「この店の強みは何だろう?」
  • 「この企業は、どこで勝とうとしているんだろう?」

と考える癖がついていきました。

それはやがて、

街で見かけた企業から投資のヒントを拾う、 私独自のスタイルにつながっていきます。

まとめ:画面の外に出た瞬間から、投資は面白くなる

今回は、失敗した銘柄をきっかけに、「本当に見るべきこと」に気づいた日の話を書きました。

チャートも、決算も、IR資料も大事。 でもそれと同じくらい、

  • 街の空気
  • お店の活気
  • 人の動き
  • 商品が選ばれているかどうか

といった現場のリアルを見ることは、投資家にとって大きな武器になると感じています。

もし今、

  • チャートばかり見て苦しくなっている
  • SNSの意見に振り回されて疲れている

という人がいたら、いったんスマホをポケットにしまって、 街をふらっと歩いてみてほしいです。

そこには、 画面にはまだ反映されていない、 小さな「未来のサイン」が、たくさん転がっているかもしれません。

そしてそのサインに気づけるようになったとき、 投資はただの「お金のゲーム」じゃなく、

「世界を見る目がちょっと変わる、面白い旅」

に変わっていくのかもしれません。

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