【新シリーズ5話裏】あの日、心はもう壊れてた──退職日になにも感じなかった理由

ストレスで潰されそうになったシリーズ 裏話

職場を辞めたあの日、

「きっと泣くんだろうな」と思っていた。

でも実際は、何も感じなかった。

寂しさも、悔しさも、解放感すらもなかった。

ただ淡々と、荷物をまとめて会社を出た。

それはきっと、もうとっくに心が壊れていたからだと思う。

毎日怒鳴られて、毎日耐えて、

気づかれないように息を潜めて働いて。

「辞める」という決断すら、誰にも言えないまま

ひとりで準備を進めていた。

最後の日も、周りはいつもと変わらず、

「お疲れさま〜」なんて軽い空気だった。

でも私は、その輪の中に入れなかった。

挨拶も笑顔も、全部「演技」だった。

本音は、「もう何も残ってない」だった。

会社を出たあと、電車に揺られながら、

やっとほんの少しだけ、涙がにじんだ。

それは悲しみじゃなく、

「もう限界だったんだな」という実感だった。

この新シリーズは、あの日から始まった。

感情が凍りついたまま、それでも前に進もうとした私の話。

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