ストレスで潰されかけた私 海外編20話深掘り

ストレスシリーズ 海外編

NOって言えなかったのは、優しさじゃなくて怖さだった

海外に来てから、少しずつ分かってきたことがある。

それは、「断ることは、悪いことじゃない」ということだった。

日本にいた頃の私は、何かを断るのがすごく苦手だった。

誘われたら、できるだけ応じる。
頼まれたら、なるべく引き受ける。
本当はしんどくても、「大丈夫」と言ってしまう。

そういう癖が、ずっとあった。

相手に嫌われたくない。
空気を悪くしたくない。
断ったことで、気まずくなりたくない。

たぶん私は、相手を思っていたというより、断ったあとの空気に耐えるのが怖かったんだと思う。

海外では、みんな思ったより普通に断っていた

海外に来て驚いたのは、みんなが本当に自然に「行けない」「無理」「また今度」と言っていたことだった。

しかも、それで関係が壊れる感じが全然なかった。

日本にいた頃の私は、NOってもっと強い言葉だと思っていた。
相手を拒絶する言葉というか、少し冷たい言葉だと思っていた。

でも、こちらでは違った。

無理なものは無理。
行けない日は行けない。
その代わり、必要以上に引きずらない。

それが、すごく普通だった。

最初はその感覚が少し不思議だった。
でも見ているうちに、むしろその方が誠実なんじゃないかと思うようになった。

自分の気持ちを後回しにしてきたことに気づいた

ある日、知り合いから予定に誘われたことがあった。

でもその日は、本当に疲れていた。
誰かと会って話す元気がなくて、ひとりで静かに過ごしたかった。

それでも頭の中では、いつもの声が始まる。

せっかく誘ってくれたのに。
ここで断ったら悪いかな。
次から誘われなくなるかも。
感じ悪いと思われるかもしれない。

でもその時、私はようやく立ち止まった。

今までずっと、相手の都合や気持ちを優先しているつもりでいたけれど、
本当は自分の不安を避けるために、無理して合わせてきただけだったのかもしれない。

そう思ったら、少しだけ悲しくなった。

私は自分の気持ちを、いちばん後ろに並ばせる癖があったんだなと思った。

短いNOが、思っていたよりずっと優しかった

その時私は、少し迷ってから短く断った。

Sorry, I can’t today.

送ったあと、すぐに不安になった。
冷たかったかな。
嫌な感じだったかな。
やっぱり行けばよかったかな。

でも返ってきたのは、驚くほどあっさりした言葉だった。

No worries! Next time 😊

それだけだった。

責められない。
空気も悪くならない。
関係も壊れない。

ただ、「今日は行けない」という事実が共有されただけだった。

その時、胸の奥で張っていた糸が少し緩んだ気がした。

NOって、誰かを突き放す言葉じゃない。
関係を壊す言葉でもない。

自分を守るために必要な、ただの意思表示だった。

NOと言えた夜は、少しだけ呼吸がしやすかった

もちろん、たった一回断れたからといって、全部が変わるわけじゃない。

今でも私は、断る前に少し考える。
これでいいのかな、と不安にもなる。

でもあの日、自分の気持ちを自分で裏切らなかったことで、確かに楽になった部分があった。

無理して笑わなくていい。
しんどい時に、しんどいと言っていい。
行けない時は、行けないでいい。

そんな当たり前のことを、私は海外に来てから少しずつ学び直している。

優しい人ほど、自分を後回しにしやすい。
でも本当に必要なのは、相手に優しくすることだけじゃなく、自分にも少し優しくすることなんだと思う。

NOって言っただけで、世界が変わったわけじゃない。

でも少なくとも私は、あの日から少しだけ息がしやすくなった。

そして今は思う。

断ることは、わがままじゃない。
自分の気持ちを、ちゃんと自分で守ることなんだ。

 

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